富士山の景観を守りながら
立ち寄り地から新たな観光拠点に
世界遺産「富士山」の麓には、充電器を積極的に導入している道の駅が点在。その中で、月に約200件の利用者数を誇る『なるさわ』と、関東道の駅アワード2014「プレミアム30」に選ばれた『富士吉田』を紹介。
充電器の横に、利用者が任意で書き込める「利用簿」を設置。中には「ほぼ毎週利用している」という声も。(道の駅 なるさわ)
「道の駅 富士吉田」の観光案内所近くに急速充電器が設置されている。充電スペース横には、利用が重なった時の待機スペースも。(道の駅 富士吉田)
充電器の導入で、道の駅の役割が広がり、地域も活性化
富士山を一望できる展望台も備えた「道の駅 なるさわ」。地元の高原野菜を販売している物産館も人気だ。
「道の駅 なるさわ」にある富士山博物館。富士山内部のマグマの様子を見られる巨大模型や溶岩樹型などが展示されている。
稼働2カ月半で利用回数は500件を突破
利用者からの感謝の声も多数
河口湖の南で、富士パノラマライン沿いに位置する「道の駅 なるさわ」では、周辺のEVユーザーの増加に伴い、2014年7月に急速充電器を設置した。リピーターや遠方から訪れる利用者も多く、1カ月で200件を超えることもあるという。
「鳴沢村全域が『富士箱根伊豆国立公園』に指定されているため、充電器設置の際には、案内看板のカラーをこげ茶色にするなど、自然公園法の規定に沿った対策も必要でした。そこで案内看板を5カ所に配置し、分かりやすく誘導できるようにしました。
また、利用者が意見などを自由に書き込める利用簿を作成。この道の駅から西は、県内に充電スポットが無いこともあって、喜びの声を数多くいただいています。この利用簿を活用しながら、さらに利便性を高めていきたいと思います」(鳴沢村役場 企画課 企画政策係 主査 渡辺氏)
2014年2月の大雪時には、道の駅を避難所として開放。今後は、防災の整備も検討していきたいとのことだ。
グルメからレジャーまで
充電中に家族全員が楽しめる
関東道の駅アワード2014で、『プレミアム30』に選出された「道の駅 富士吉田」は、富士山麓にある道の駅では、最大規模を誇る。スタッフが常駐し、富士山周辺のおすすめスポットを教えてくれる観光案内所も好評だ。さらにEV・PHVで訪れる観光客が増えてきたため、2013年12月から充電器の運用をスタートさせた。土日の観光客を中心に利用されているという。
「この道の駅には、巨大室内遊園地がある富士山アリーナ、富士山レーダードーム館、広いドッグランなど、さまざまなエリアがあります。2015年春には歴史民俗博物館もリニューアルオープン。周囲の道の駅と連携したイベントも開催し、充電中・充電後も子供からお年寄りまで、ゆっくりお楽しみいただける施設が揃っています」(一般財団法人 ふじよしだ観光振興サービス 広報・営業担当 小山田氏)
「道の駅 富士吉田」は、お土産や地場野菜の品揃えが豊富で、観光バスの立ち寄りスポットにもなっている。富士山の地下水を汲み取れる水場からアウトドアショップ、ビールの醸造所まで備えている。
富士山頂に建設された「富士山レーダー」が、2004年に「道の駅 富士吉田」に移設されリニューアル。山頂体験コーナーやシアターなどを設置。
富士吉田市の郷土料理「吉田のうどん」が味わえる。右は、「吉田のうどんぶりちゃん」。
道の駅 なるさわ |
【充電器設置場所】 駐車場 |
※原稿は、2014年11月12日に取材した内容を元に作成。