道内17 店舗に充電設備を設置
予想を超える利用に確かな手ごたえ
国内有数の車社会であり、豊かな自然に恵まれた北海道。
さらなるEV・PHV普及が望まれるなか、寒冷地対策などにも工夫した北雄ラッキーの充電設備が高い利用実績をあげている。
厳しい寒冷期にも大きなクレームはなく、順調に運用。地方のガソリンスタンド減少などを補うインフラとして期待されている。
寒冷地対策も施し「持続可能な地域づくり」にも貢献
北海道内に35店舗(2015年5月末現在)を構えるスーパーマーケット北雄ラッキーは、2014年、17店舗に1基ずつEV・PHEV用急速充電器を設置。北海道では一般企業が公共インフラ的に急速充電器を設置することはまれで、食品スーパーでは初めての試み。
迅速な導入決定と計画策定で
補助金をフル活用
2013年末に北海道庁よりEV・PHV用充電設備に関する説明を受けた北雄ラッキーは、急ピッチで導入を検討。わずか3カ月後の14年3月には、年内に17店舗へ導入する基本計画の策定を完了した。
「充電設備の導入によって、環境対応、インフラ整備への貢献、顧客サービス向上に寄与できるというメリットは非常に大きいと思います。また、国の補助金などをフル活用すれば、費用の大半がカバーできるということもあり、迅速な意思決定につながりました。
ただ、当社としても初めての事業だったため、機器の選定や寒冷地対策などで試行錯誤することも多く、インターネットで事例を調べたり、機器メーカーに相談したりしながら準備を進めていきました」(北雄ラッキー 本部・総務部 野呂田氏)
次世代型ライフスタイル提案
顧客からも感謝の声
充電設備の設置は14年8月から始まり、11月には完了。設置店舗は駐車場が広く、土地・店舗が自社物件であることを前提とし、地方の店舗を優先して道内にまんべんなく配置した。現在、多い店舗で月間約50回、17店舗合計で300~350回程度の利用がある。
「設置以前には17店舗で月間100回の利用と予測していましたが、マスコミで紹介されたことによって急速に認知が進み、設置2、3日目から利用は順調に伸びていきました。3カ月間の無料お試し期間を過ぎても、リピーターのお客様が増え、現在に至っています。
お客様からは“ラッキーで充電すればEVでも札幌の自宅から地方の実家に行けるようになった”“ガソリンスタンドがなくなっても、家とラッキーで充電すれば大丈夫だね”といった声もいただき、社内の関心も高まっています。当社の環境理念である『できることから着実に』を合言葉に、持続可能な地域づくりに貢献していきたいですね」(野呂田氏)
携帯電話やスマートフォンのQRコード機能に対応した同社の「エコ給電システム」に会員登録すれば、即日充電が可能。自動車4メーカーのNCSカードも利用できる。
積雪に備えて雪除け屋根を設置したほか、通常はステッカーで貼られる充電場所の案内表示マークは除雪車で剥がれないよう塗装に変更。
北雄ラッキー 星置駅前店
【住所】 札幌市手稲区星置1条2丁目1-1【充電器設置場所】店舗駐車場
【充電器タイプ】急速充電器1台
【充電料金】 「エコ給電システム」会員:54円/1分、 その他:利用会員カードの会員料金
【利用可能時間】10:00~21:00
※原稿は2015年5月27日に取材した内容を元に作成。