26台のEVを通勤用車両として導入
充実した福利厚生で、社内の士気もアップ
車通勤をする社員の負担軽減を図るため、
重光商事では通勤用車両としてEVをリースで大量導入。
通勤交通費が激減したうえ、社員の勤務意欲も向上している。
充電設備は駐車場のガレージ内にあり、7台まで同時充電が可能だ。社員は勤務時間内であれば、好きな時に充電することができる。
大量のEV活用で次世代のビジネススタイルを確立
50台収容できる重光商事の駐車場には社有車のEVがズラリと並ぶ。2015年5月時点での保有数は26台だが、今後も増やしていく予定だ。さらにワゴンタイプのEVも導入し、活用シーンを広げている。重光商事は、石川県かほく市と羽咋市に物流センターを構えており、それぞれにも充電設備を完備している。
交通費の支給を廃止し
EVのコストは会社負担
石川県金沢市でタオル関連製品をメインに取り扱っている商社・重光商事では、2014年7月にEV23台をリース契約で一斉導入。勤続年数が5年以上経過した車通勤の社員全員に割り当てた。車のリース代や任意保険は会社側が受け持つ一方、それまで支給していた交通費を廃止した。
「駅から離れている当社は、全員が車通勤。なかには富山県から毎日片道50㎞運転する社員もいます。当然、会社負担の燃料費や個人の維持費にかかる負担も大きい。その解決策として考えたのがEVの大量導入でした。ガソリン車と比較して燃料費が激減するうえ、社員のモチベーションアップにもつながり、会社の生産性は向上します。車移動が多い会社であれば、より有効な手段になるでしょう」(重光商事 代表取締役会長 井上氏)
井上氏は近隣の建設会社などへも呼びかけ、この新しいEV・PHV活用法を広めている。
充電設備を社員に無料開放
太陽光発電との連携も検討
大量のEVを有する重光商事には緊急時にEV内の電力を活用できる充電器3台、コンセントタイプの普通充電器4台が配備され、勤務時間内であれば、社員は好きな時に自由に充電することができる。
「自宅に普通充電器を設置している社員も多いため、充電待ちも少なく、スムーズに運用できています。当社は太陽光発電事業も手掛けているので、今後はEVの充電にも活用していきたいですね。
勤務中はEVのキーを、それぞれ指定の番号へかける。「充電中」「充電待ち」という状況もわかりやすく判断できるようにしている。
通常のEVへの充電のほか、緊急時にはEVのバッテリーにある電力を活用することもできるタイプの充電器(V2H対応)を、3台導入している。
金沢は比較的EV・PHVの普及が進んでおり、インフラ体制も整っていますが、充電設備メーカーなどにも呼びかけながら、普及の後押しをしたいと思っています」(井上氏)
2015年3月に北陸新幹線が開通し、首都圏からもアクセスしやすくなった金沢。タクシー待ちの観光客も増えているなか、井上氏はEVタクシーにも注目。街全体のイメージアップを図るために、自治体などへも働きかけていきたいと語る。
重光商事
【住所】石川県金沢市小野町4丁目レ40-170【充電器設置場所】駐車場ガレージ
【充電器タイプ】V2H*対応急速充電器 3台 普通充電器(コンセントタイプ)4台
【充電料金】無料(利用対象者:重光商事の社員)【利用可能時間】勤務時間内
*V2Hとは「Vehicle to Home」の略で、EVに貯められた電気を電力源として家庭などに利用できるシステムをいう。
※原稿は2015年5月27日に取材した内容を元に作成。