既設駐車場リニューアル時に
EV・PHV用充電対応パレットを新設
月極め回転式立体駐車場の改修工事に合わせて、
テナント企業が所有するEVの充電が可能なパレットを3台新設。
夜間などの格納中に効率よく充電でき、好評を博している。
コンセントスタンド型の普通充電器は駐車パレットにコンパクトに設置され、使い勝手もよく、見た目もスマートだ。
付加価値リニューアルでテナントニーズと環境対応を実現
8階建てオフィスビルに設置された回転式立体駐車場である阪本ビル駐車場(新明和工業製)は、テナントとして入居する企業を中心に29台を収容可能。格納中に充電できる充電設備を3台新設し、フル稼働している。
テナント企業のEVに対応
29台中3台に充電設備新設
1983年に設置された月極めの回転式立体駐車場である阪本ビル駐車場は、設置後30年の経年劣化対応と収容サイズ拡大のために2013年、機械式駐車場メーカーの新明和工業が、改修工事を実施。同時に、テナント企業が所有するEV用に充電設備を3台新設した。
「これまでは既設駐車場に入庫できなかった中・大型車やミドルルーフ車を立体駐車場前のスペースに平置きで駐車。EVも同じスペースに充電設備を設けて、別途対応していました。
今回の改修工事によってパレットサイズの拡大と新たなEV・PHV用充電設備の設置が同時に実現したため、テナント企業からも便利になったと好評をいただいています。特にEVを所有する企業からは“格納中に安心安全に充電できる”と大変喜ばれています。
水平式ではなく回転式の立体駐車場のため、計画当初は充電設備がうまく取り付けられるか心配でしたが、新明和工業さんの適切な提案でコンセントスタンドがコンパクトに設置でき、満足しています」(阪本不動産 総務部 吉永氏)
燃料費少ないEV・PHV
社有車増で充電ニーズ拡大
充電料金はパレットごとに計算され、各テナントの使用電気料金と合算して請求している。ガソリンに比べると電気は燃料費が非常に安く済み、1台につき月額1000円程度と経済的だ。
「環境にやさしく、燃料費もわずかなEVやPHVは社有車としてもとても魅力的です。当社も営業車や役員車として今後、検討していきたいと考えています。
充電はコンセントにケーブルをつないで、手順に従って行うだけで簡単。夜間の格納中に、割安な夜間電力を利用すれば、コスト削減にも貢献。
従来は立体駐車場以外のコンセントやコンセントスタンドの充電設備は補助金対象外だったが、平成26年度は対象になっているので、積極的に活用したい。
そのためには、車両の航続距離が伸びることと充電インフラの整備が不可欠。ユーザーや社会のニーズも高まっているので、今回設置した充電設備は増設に備え、後付け可能なタイプにしました。従来は対象外だった立体駐車場以外のコンセントやコンセントスタンドにも補助金対象が広がっているので、多くの駐車場が付加価値の高い充電設備の設置に積極的に取り組んでほしいですね」(吉永氏)
阪本ビル駐車場
【住所】大阪府大阪市中央区淡路町1-2-6【充電器設置場所】月極め立体駐車場
【充電器タイプ】普通充電器3台
【充電料金】使用電気料金を月単位で請求【利用可能時間】24時間
※原稿は2015年5月28日に取材した内容を元に作成。