全居住者が安心して充電できる環境に
EV・PHV仕様のエコアパート
EV・PHVの普及が進むなか、
名古屋市内には充電設備を完備した賃貸アパートも。
駐車場代の上乗せなどはせず、居住者が気軽に利用できる仕組みになっている。
充電設備は各世帯の電気メーターと連結。居住者以外の無断使用を防ぐため、充電時は、充電器と屋内両方のスイッチを操作する必要がある。
不正使用防止対策を施した充電設備を全世帯の駐車場に設置
以前は自動車メーカーの関連会社に勤めていたアパートオーナーの横井氏は、充電設備を導入する際には、EV・PHVを扱う自動車販売店に相談することを勧めている。実際、横井氏も自動車販売店から紹介された工事会社に依頼したが、必要最低限のコストで段取り良く作業してくれ、とても安心できたと語る。
居住者は設備利用料無料
充電した分だけ電気代に加算
名古屋市緑区にある賃貸アパート「ソレイユ大根山」と「ソレイユ滝ノ水」では、2014年3月に普通充電器を各4台ずつ導入。全世帯の居住者が利用できる体制を整えた。
「両物件とも既に入居済みでの充電設備設置でしたが、居住者からの賛同が得られ、スムーズに導入することができました。
導入の際は、国の補助金を利用しながら、残りの費用をアパート側で負担しました。充電設備は居住者に無料開放。各充電器と各世帯の電気メーターが連結し、使用した分だけ電気代に加算される仕組みです。充電スイッチは、充電器側だけでなく、家の中にも設置。両方のスイッチを操作しないと充電できないため、無断で使用される心配もありません」(ソレイユ大根山/ソレイユ滝ノ水オーナー 横井氏)
EV・PHVの普及により
充電設備がアパートの魅力にも
名古屋市をはじめ、車保有率が高い地域では、車通勤者が多く、燃料費の負担も大きい。そこで自家用車をEV・PHVにし、自宅で充電すれば、コストを大幅に削減できると横井氏は考える。
「賃貸アパート居住者の多くが、戸建住宅の購入資金を貯め、車の買い替えなどはその後に考えるという傾向がありますが、先にEV・PHVを導入することが、戸建住宅の早期購入につながることも。夜間の電気代が安い契約で夜間充電すれば、ガソリン車と比較して年間10万円ほどの燃料費を削減できると思います。
少子高齢化と人口減少が問題となっているなか、アパートに求められているのは付加価値。充電設備もその一つで、今後EV・PHVがさらに普及すれば、アパートの大きな魅力になると思います」(横井氏)
補助金対象が拡大し、充電用コンセントやコンセントスタンドにも支給されることになったことで、充電設備を完備した賃貸アパートのさらなる増加に期待したい。
2007年築の賃貸アパート「ソレイユ滝ノ水」は、メゾネットタイプの全4戸。EV・PHVを保有する居住者はまだいないが、意識している人は多い。
2010年築の「ソレイユ大根山」は、全4戸の2階建て賃貸アパート。居住者用の駐車スペースに充電設備を完備し、EV・PHVの受け入れ態勢は万全だ。
ソレイユ滝ノ水/ソレイユ大根山
【住所】愛知県名古屋市緑区滝ノ水2丁目2102/愛知県名古屋市緑区大根山1丁目101
【充電器設置場所】駐車場【充電器タイプ】普通充電器 各4台
【充電料金】 充電に利用した電気代のみ(利用対象者:居住者) 【利用可能時間】24時間
※原稿は2015年7月2日に取材した内容を元に作成。