概要
ICT(情報通信技術)を利用して、電力に関連する様々な情報のやり取りを行う次世代の電力ネットワークであり、発電所や家庭用の太陽光発電、電気自動車の電力に関する双方向の情報流通が可能となる。電力需給のコントロールを行うことで、電力の平準化や省電力化などに寄与する。
【電動車両に期待される3機能】
停電時などに家庭へ電力を供給するVehicle to Home(V2H)、太陽光・風力発電からの余剰電力のバッファとして利用するGrid to Vehicle(G2V)、車両から電力系統に電力を供給するVehicle to Grid(V2G)の3機能がある。
名称 | 電気の流れ | 期待される機能 |
---|---|---|
Vehicle to Home(V2H) | BEV・PHEVから家庭へ | 車両の電力を家庭用の電力供給減として利用。電力系統への連携。 逆潮流の有無でその役割等に違いあり。 |
Grid to Vehicle(G2V) | グリッドからBEV・PHEVへ | 車両への単純な充電だけではなく、太陽光・風力発電からの余剰電力のバッファ等として利用。 |
Vehicle to Grid(V2G) | BEV・PHEVからグリッドへ | 車両から電力系統に電力を供給。電力系統の周波数調整・需給調整等へ利用。(アンシラリーサービス) |
【Vehicle to Home (V2H)】
・車両の電力を家庭用の電力供給源として利用。
・現在は、一般にV2Hは電力系統への連系無を前提としている。
【Grid to Vehicle (G2V)】
・車両への単純な充電だけではなく、太陽光・風力発電からの余剰電力のバッファ等として利用。
【Vehicle to Grid (V2G)】
・車両から電力系統に電力を供給。
・車両からの電力の出力をグリッド側で制御し、電力系統の周波数調整・需給調整等へ利用。
(アンシラリーサービス)
【自動車メーカーの取組み】
日産
ニチコン製「EVパワーステーション」を活用したV2Hシステム「LEAF to Home」の販売を開始。
三菱
i-MiEV、MINICAB-MiEV用のオプションとして外部への電力の出力が可能な『MiEV power BOX』を発売。
トヨタ
PHVやEVなどと約10世帯の住宅との間で電力を相互供給する、『豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト』を開始。
※PHVは満充電およびガソリン満タン状態で、1台で一般家庭の日常使用電力約10kWhの約4日分に相当する電力を供給することが可能
ホンダ
エネルギー需給を総合的にコントロール可能な「ホンダスマートホームシステム(HSHS)」を導入した実証実験住宅を埼玉県さいたま市に完成させ公開。
※一般家庭のおよそ6日分の使用電力を供給できる、最大出力9kWの外部給電機能を装備した燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」も発表。